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近親婚と万世一系


スペインフプスブルグ家が過度の近親婚で子孫が潰え、18世紀初頭にフランスブルボン家に王位が移った話は有名ですが、血統の純度を守る事と安定して子孫を残していく事は両立し難く、日本の天皇家が千数百年に渡り男系承継してきた事は奇跡的な事だと言えるでしょう。

数年前に歯科矯正学の平下斐雄先生は『ハプスブルク家700年の顔の変化』で長顔・下唇突出の遺伝的影響を解説されてます。ヨーロッパ諸侯は絵描きに自画像を描かせるケースが多いので、多少美男・美女に修正はしたでしょうが、それぞれの顔の特徴を覗い知る事ができます。もちろん顔だけではなく、英王室の血友病はビクトリア女王の子孫全般に及び欧王室共有の遺伝病になってますし、早逝や精神疾患等その影響は枚挙に暇がないでしょう。


我が国の場合、天皇で異父兄弟姉妹婚が確認できる最後は清和天皇(850-881)で、女御の源済子は異母妹になります。ウィキぺディアで数えると奥さんが26名いらっしゃったので、あれ君は妹だったっけ?という程度だったかもしれませんが。カトリックのように婚姻が神との契約で離婚が容易でなく、非嫡出子は王位を継げないといった制約下では同族による王位継承は常に断絶の危機を孕み、他国王室との婚姻や、女系継承を認めてきた背景はよく理解できます。

一方日本は男系承継だけは譲れない基本線として多妻制で常にスペアを維持しながら何とか万世一系を維持してきました。天皇が親政していた時代は相当過去の事(最後が院政期としても800年以上も昔)ですが、その後幾多の政変・支配者の交替の中で日本の天皇家は各時代の選りすぐりの英雄達の血統を取り込み、それが遺伝子的にはnatural hedgeになってきたようにも見えます。

私は女性天皇〇、女系天皇×派の人間ですが、少なくとも天皇は日本の歴史や文化の正しい伝導者であり、例えば南米やハワイに行っても日系人が故郷を想い心が慰められるような存在で今後もあり続けて欲しいと願っています。


さて歴代天皇で近親婚の影響はというとはっきりわかるものはありません。ただ狂疾の疑いあるのは私の知る限り、清和帝の息子陽成天皇、親子の冷泉・花山両帝が挙げられ、摂関期、限られた親族間での婚姻が頻繁だった事が背景ではと考えられます。花山天皇は狂疾というより色狂い系である一方芸術的才能に秀でており、ある種天才かもしれません。


道長に退位を無理やり迫られていた三条天皇は上記冷泉帝の息子ですが、健全でしたが長生きの薬(仙丹)を呑んで失明されたそうです。当時の仙丹には硫化水素・砒素が含まれており劇物だったとの事。光る君へには三条帝はどう描かれるのか関心の一つです。

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