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藤沢、茅ヶ崎 ~JAN,2025~

  • 執筆者の写真: 羽場 広樹
    羽場 広樹
  • 1月31日
  • 読了時間: 4分

更新日:2月4日


小生の住む国立(立川・国分寺)エリアから中央・圏央道を伝って70km程下りると湘南地域に届きます。圏央道は相模原から茅ヶ崎に至るまで略相模川に沿って走りますが、この川の源流が山中湖だという事は余り知られてないかもしれません。山梨県では桂川と呼ばれますが、大量の富士山の伏流水を源として相模原台地にぶつかり時計回りで南下し相模湾に注ぎ込んでいます。茅ヶ崎里山公園はこの台地の縁にあり、富士山がよく見えます。近くには西方貝塚もあり、縄文海進時には海岸線がこの辺りだったのでしょう。 


富士山絶景ポイントに程近いところに腰掛神社があり、東征したヤマトタケル(日本武尊)が大山を見ながら腰かけた石(腰掛石)があります。大山には彼の曽祖父、崇神天皇期に創建された“大山阿夫利神社”があり東征の成功を祈ったことでしょう。ここでは鳥居が2つ接近して並んでおり珍しいと思いましたが、2つめの鳥居は真言密教の金剛界・胎蔵界を表す両部鳥居と呼ばれる四つ足構造のもので神仏習合の名残のようです。 


相模川を下り支流の小出川と東海道が交わる地点で、関東大震災時液状化により鎌倉初期に作られた橋(10本の橋脚)が姿を現しました。吾妻鏡で書かれた、稲毛重成が妻(北条時政娘)の供養の為に相模川に架けた橋と推定されています。頼朝はこの橋の落成供養出席後間もなく落馬し亡くなりましたが、稲毛重成も時政・義時親子の確執に巻き込まれ一族の畠山重忠の乱の過程で殺されました。義時・政子の母親は伊東祐親の娘、重成の妻の母親は継室となった牧の方であり、義時の粛清の対象となったのでしょう。 


源氏が鎌倉・湘南エリアを拠点としたのは、源頼義が平直方の婿になり鎌倉の地を譲られたのがきっかけでした。八幡様は応神天皇(誉田別命:ほんだわけのみこと)を表し武神として祀られましたが、清和源氏の守り神として崇拝され、特に義家は石清水八幡宮で元服し八幡太郎義家を名乗りました。前九年の役で勝利した頼義は鎌倉に鶴岡八幡宮を分祀し、その後義家が鶴嶺八幡宮を現茅ヶ崎に創建しました。義家が戦勝祈願を行ったという大銀杏は迫力有ります(後三年の役の時点である程度大きくなっていたとすれば樹齢千年を超えるでしょう)。


源義経は藤原泰衡に討たれた後、首級が鎌倉に送られましたが、祭神として白旗神社で祀られています。鎌倉沖で捨てられた首が拾われ祀られたとの話も有るようで、200mくらい歩くと義経の首を洗ったとされる井戸が住宅街の中で保存されていました。鎌倉には頼朝を祀る白旗神社もありますが、勝者も敗者も亡くなれば仏になり神にもなるという鎮魂の文化は日本人固有のものかもしれませんが私は好きです。 



時宗の総本山、清浄光寺を初めて訪れました。末法思想の拡がりから中世、戦乱の世を経て鎌倉新仏教は様々な階層に拡がりました。とりわけ念仏を唱えると浄土往来が約束される浄土教系(浄土宗・浄土真宗・時宗)は教義が容易で数多くの信者を広く集い、日本人の諦観や無常観といった国民性とマッチしたのではないかと思います。一方、一向一揆や三河の浄土宗は、民衆を巻き込み武家勢力と対峙したイメージが強いですが、時宗の指導者は旅をしながら遊説し、特定の政治勢力からは敢えて距離を置いていた様に感じます。入口側の駐車場横に上杉禅秀の乱で戦死した敵味方を一緒に弔う供養塔がありました。


歴史おたくとしては、南部茂時の墓を見つけて感動しました。南部宗家はその後本拠地を八戸・盛岡方面に移し江戸時代には南部藩の大名となりましたが、茂時は母親が鎌倉北条氏出身で、鎌倉幕府滅亡時には終始北条家側に立ち、東勝寺で北条一族が滅んだのを見届けて清浄光寺で自害しました。

 




大岡越前といえば、加藤剛のものを良く見てました。亡くなられてもう6年経ったんですね。

 









大岡家は家康が三河から連れてきた武士団の一つで幕府成立後旗本となりますが、家康の関東移封後最初にもらった領地が高座郡堤村(茅ヶ崎市)でここに浄見寺を建立し大岡家菩提寺としました。忠相は徳川吉宗の享保の改革を町奉行として支えた後、寺社奉行迄出世し大名となりました。領地の多くは三河にあり陣屋も岡崎市に置かれましたが、菩提寺は変えず忠相を含む歴代当主の墓が並んでます。 



「大岡越前」の南町奉行所は有楽町駅近辺、「遠山の金さん」の北町奉行所は東京駅日本橋口近辺で、北も南もそんなに離れてません。江戸城に出仕するには便利だったでしょう。

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